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相続人の一部に海外在住の方を含むなど、複雑事案の遺産分割を解決した事案

相続財産 不動産 金融資産等 預金
依頼者の被相続人との関係 兄弟姉妹
相続人 兄弟姉妹
争点 遺産の具体的な分配内容 遺産分割に関する手続選択・海外送達の可否等
担当事務所 福岡法律事務所
結果
  • 【依頼後・終了時】相続人や遺産の範囲を明らかにした上で、法定相続分に加えて、諸経費や葬儀費用等も遺産から支出する内容で成立させた。

事案の概要

本件は、兄弟姉妹の一人が資産を残して亡くなったことから、その遺産について、他の兄弟姉妹の間で遺産分割協議(※後に調停に移行)を行った事案です。まずは相続人や遺産の調査から行ったのですが、遺産には、被相続人名義だけではなく、先代や先々代名義のままとされているものが含まれていました。
そのため、数次相続や以前の遺産分割協議の内容等も検討しなければならない事案でした。
さらに相続人の一人が海外在住であり、連絡をとるだけでも一苦労という状況で、この点が本件の処理を困難なものにしていました。
当該国は、海外送達も困難であること等、解決すべき問題が山積していた事案です。

弁護士の対応

相続人や遺産調査の完了後、相続人全員に対する連絡を行いました。海外在住の方には、日本語を理解する現地の代理人弁護士が就いていたので、その方を窓口に話し合うことにして、遺産分割協議の形で進めていくことを想定していたのですが、相続人の一人から、遺産分割調停の申立てがありましたので、これに対応する方針に切り替えたものです。

海外在住の方が調停に出席することは事実上不可能であり、そもそも送達すら困難という状況でした。したがって、海外在住の方は、これまで折衝を唯一行ってきた私たちが、期日結果やそれぞれの要望等をお伝えし、先方の意向を確認する役割を担っています。遺産の全容に関する情報開示や、先々代名義のままになっていた遺産の相続関係に関する追加資料の検討等、本件の主導的な役割を担いながらも、こちらの希望する分割案をそれぞれに提示していきました。

解決結果

裁判所においても、海外在住の方との折衝においても、主体的に活動しつつ、こちらの要望についても適切に提示していった結果、無事各人の意向を取りまとめることができました。
その内容はほぼこちらの希望どおりの内容であり、葬儀費用等を遺産分割の対象として相続人全員の負担とすること等を含む内容になっています。
海外送達が困難という手続面の問題も、海外在住の方と折衝して日本国内に送達先を指定してもらうことで、「調停に代わる審判」による解決を実現しています。

このように、本件は権利関係も手続面でも複雑案件に属する事案でしたが、これまでの経験知を総動員することによって無事解決に至った事案です。

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