養父の死から4か月以上経っていたが、相続放棄の申述が受理された事例
相続財産 | 相続債務について債務者からの請求あり |
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依頼者の被相続人との関係 | 養子 |
相続人 | 兄 弟 |
争点 | 相続放棄 |
担当事務所 | 千葉法律事務所 |
- 結果
- 【依頼前・初回請求】相続放棄申述却
- 【依頼後・終了時】原審判を取り消した上で、相続放棄申述受理
事案の概要
本件は、死亡した被相続人に関する相続放棄事案です。
依頼者の母と被相続人が婚姻した際、被相続人と依頼者は養子縁組をした為、
被相続人は依頼者の養父にあたります。後に依頼者の母と被相続人は離婚しましたが、被相続人と依頼者の離縁はなされませんでした。その後依頼者と被相続人は疎遠になりました。
その後、被相続人の債権者から多額の借金の通知書が届いたことで、依頼者は被相続人の死亡を知ったものの、既に被相続人とは離縁済みと認識していた為、自分には関係のない事だと思っていました。
4ヶ月後、債権者から再度支払請求された際、依頼者の弟が相続放棄をしたことや相続放棄の期限が過ぎたことを聞いた依頼者は、弟が相続放棄をしたということは自分も離縁されていないのではないかと思い、戸籍を取り付けたところ、被相続人と離縁されていなかったことが判明しました。
依頼者は家庭裁判所へ相続放棄の申述をしたものの、債権者からの通知があった時から既に3か月が経過していたことから、申述は却下されました。
債務額も大きいことから、どうしても相続放棄したいの希望があり、弊所へご相談・ご依頼いただくこととなりました。
弁護士の対応
債権者からの書面を受領した日から起算しても、相続放棄の申述時には既に相続放棄申述期間を過ぎてしまっており、さらに、既に家庭裁判所により却下されていることから、債権者からの書面を受領してから申述するまでに時間を要した事情を具体的に説明する必要がありました。
たとえ被相続人と離縁されていると信じていたとしても、依頼者と被相続人が養子縁組関係にあることは、自らの戸籍を見れば容易に分かることから、「相続人ではないと信じていた」とは言えないのではないかと考えられました。
担当弁護士は、離縁されていると信じていた事情をいかに具体的に主張できるかがポイントであると考え、依頼者の母と被相続人が離婚した際の被相続人の具体的な発言等も踏まえ、即時抗告を申立てました。
解決結果
裁判所は、依頼者が被相続人と離縁していると信じていたとしても無理がなく、通知書を受け取った時点で相続財産等の調査を期待することは困難であったとして、再度の支払請求がされた時点を申述期間の起算点と判断し、原審判を取り消した上で依頼者の相続放棄の申述が受理されました。
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