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監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
相続が発生したら、遺言書がある場合などを除いて、まずは相続人全員による「遺産分割協議」で相続財産の分け方について話し合うことになるのが基本です。 この遺産分割協議を行うためには、下準備として、“相続人となる人”と“相続の対象となる財産”を調査して把握しておく必要があります。 そこで今回は、“相続の対象となる財産”を調べる「相続財産調査」について、その方法やかかる費用などを中心に解説していきます。 なお、“相続人となる人”を調べる「相続人調査」に関する解説については、下記の記事をご参照ください。
相続人調査の方法来所法律相談30分無料・24時間予約受付・年中無休・通話無料
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相続が発生したら、相続財産を漏れなく把握するためにも、徹底的に「相続財産調査」を行う必要があります。なぜなら、次のような3つの理由があるからです。
①遺産分割協議をするため
相続財産調査を綿密に行わないと、相続人による財産の使い込みや隠匿に気づけず損してしまったり、遺産分割後に新たな財産が見つかって協議をやり直す事態になったりしかねません。
相続財産の全容がわからなければ、適切な遺産分割ができないため、相続財産の精査は非常に重要です。
②相続するか相続放棄するかを選択するため
相続をすると、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も引き継がなければならないため、相続財産の内訳によっては、相続することで大きな損失を受ける可能性があります。
相続する場合と相続放棄をする場合を比べてどちらが得になるかは、相続財産の状況によって異なるので、相続するかどうかを判断するためにも相続財産の調査は重要です。
③相続税を申告するため
相続財産の全容を把握していなければ、相続税を正確に計算することはできません。相続税の申告を怠ったり、少なく申告したりした場合には、ペナルティが課されてしまうので、正確な金額を申告するためにも相続財産を調査しなければなりません。
相続財産調査は、基本的に3ヶ月以内に終わらせる必要があります。
なぜなら「相続放棄」や「限定承認」をする場合、相続が開始したことを知った日(一般的には被相続人の亡くなった日)から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てなければならないからです。
相続放棄とは、相続財産を引き継ぐ権利を放棄することです。
相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産も相続しないことになります。
また、限定承認とは、プラスの財産を限度にマイナスの財産を引き継ぐ相続の方法です。
相続財産調査の結果、多額の借金があることがわかったとしても、期限までに相続放棄や限定承認の手続きをしなければ、借金を含めたすべての相続財産を相続したものとみなされてしまいます。 さらに、相続税の申告についても、相続が開始したことを知った日の翌日から10ヶ月以内にしなければならないという期限があるため、相続財産の調査はなるべく早い内に終わらせておくべきでしょう。
相続放棄と限定承認の詳しい手続方法や流れを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
相続放棄について 限定承認について相続財産には、「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産」も含まれます。 そこで、プラスの財産とマイナスの財産にはそれぞれどのようなものがあるのか、代表的なものを以下にまとめました。また、プラスの財産にもマイナスの財産にも含まれない、「相続財産でないもの」の例も挙げているので、併せてご確認ください。 相続財産に漏れがあると、将来的に大きなトラブルにも発展しかねません。徹底的に相続財産を調査し、どのような財産がどれだけあるのかをしっかりと把握することが重要です。
相続財産の調査では、「どのような財産が」「どこに」「どれだけ」あるのかを調べます。具体的には、以下の2点を行うことになります。
・相続財産の有無と内容の調査
・相続財産の価値の評価
次項より詳しくみていきましょう。
相続財産調査では、プラスの財産とマイナスの財産の両方について調べます。 まずは、相続財産にどのようなプラスの財産、あるいはマイナスの財産が含まれているのかを調べ、財産の有無を確認したうえで、財産の保管されている場所(預貯金口座番号や不動産の地番など)や金額・数量を把握します。 実際の調査方法は財産の種類によって異なりますが、一般的に地道な調査が必要になります。
実際に遺産分割などの相続手続を行うためには、相続財産にどのくらいの価値があるのか、金銭的に評価する必要があります。 一般的に、相続財産は現在時点(遺産分割時点)の時価で評価されます。 この点、現金や預貯金は大きな問題になりませんが、不動産や自動車、株式や美術品といった、評価方法によって価値が変わる可能性のあるものは、どのように評価するかが争われるケースがあります。 例えば、不動産の価値は、固定資産税・路線価・実際の取引相場・不動産鑑定士の鑑定結果などの様々な算出基準のどれかひとつを参考に評価することが多いです。ただし、相続税を申告する際の評価額は、国税庁からの通達である「財産評価基本通達」に従って算出するため、一般的な相場とは異なります。 また、自動車や美術品などは、中古品販売業者の査定価格や売買価格を参考に決定する傾向にあります。 このように、相続財産の価値の評価には多くの専門知識が必要なので、相続問題に詳しい弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。
預貯金の有無や金融機関名、口座番号、残高などは、次のような手がかりを参考に調査します。
金融機関の通帳やキャッシュカードが見つかれば、預貯金に関する情報は簡単に調べられますが、最近はインターネットバンキングを利用される方も多いため、通帳が存在しないこともあります。 そのため、通帳やキャッシュカードがない場合でも、口座開設時に郵送された書類や金融機関からのノベルティなどが届いていないかを調べてみる必要があります。 また、被相続人のパソコンやスマートフォンを見られるのであれば、金融機関からのメールが届いていないか、専用アプリがインストールされていないかといった点も確認してみましょう。
被相続人の預貯金口座がある金融機関がわかったら、被相続人が亡くなった日付で「残高証明書」を発行してもらいましょう。 残高証明書を発行してもらうためには、金融機関所定の残高証明書発行依頼書のほか、被相続人の戸籍謄本や請求者の戸籍謄本・実印・印鑑証明書などが必要になります。また、手数料として500~1000円程度がかかります。 この際、相続関連の書類の確認が必要なため、郵送ではなく、金融機関に直接出向いて窓口で発行を請求しなければなりません。 残高証明書は、請求した当日に発行されるケースもあれば、1週間ほどしてから郵送されるケースもあります。金融機関によって異なるので、詳細は各機関にお問い合わせください。 とはいえ、相続手続をするにあたって、残高証明書が必須というわけではありません。しかし、相続税の申告をする場合には欠かせませんし、遺産分割協議の際に他の相続人に正確な相続財産の金額を示す資料となるので、取得しておくことをおすすめします。 なお、残高証明書を請求すると、口座名義人が亡くなった事実が金融機関に伝わって口座が凍結されますので注意しましょう。
預貯金口座のある金融機関に「取引明細書」を発行してもらうことで、過去の一定の期間における預貯金の動きを把握することができます。そのため、被相続人が開設した他の口座を見つけたり、借金の存在が判明したりする可能性があります。 なお、発行手数料や必要書類などは、明細書に記載してもらう取引履歴の期間や金融機関によって変わってくるので、正確な情報を知りたいときは各金融機関に問い合わせる必要があります。 また、被相続人が亡くなる前3年以内に他人に無料で財産を譲っていた場合、つまり贈与をしていた場合、その受贈者が相続又は遺贈により財産を取得している場合は、贈与した財産は相続税の課税対象となります。 贈与の有無や相続税の金額などを調べるためにも、取引明細書を確認する必要があるでしょう。
全店照会(名寄せ)という方法を用いれば、その金融機関で解説されている被相続人のすべての口座を洗い出すことができます。 この方法では、普通預金や定期預金といった種類を問わず、その金融機関の全支店を調べることが可能です。また、もし証券口座を開設していれば、それも判明します。 ただし、全店照会が可能なのは同一の金融機関に限られるので、他の金融機関に関してはまた別の方法で調べる必要があります。
土地や建物といった不動産は「地番」や「家屋番号」で特定されるため、このような情報が記載されている、
・固定資産税の納税通知書
・登記済権利証(登記識別情報)
といった資料が保管されていないか調べましょう。
納税通知書は毎年4~6月頃に届き、登記識別情報通知等は不動産を登記する際に発行されます。
なお、納税通知書には非課税の不動産(私道や墓地など)は記載されませんが、課税対象となる不動産であれば未登記のものでも記載されます。一方、登記識別情報通知等には課税対象となるかどうかを問わず、登記されている不動産はすべて記載されますが、未登記のものは記載されません。 したがって、どちらか片方を確認するだけでは、相続財産となる不動産を見落としてしまう可能性がありますので、納税通知書と登記識別情報通知等の両方を確認することをおすすめします。
納税通知書や登記済権利証などが見つからない、または見つかったものの記載されている不動産以外にも所有していることが予想される場合は、市区町村役場で「名寄帳(固定資産課税台帳)」を発行してもらいましょう。 名寄帳とは、その人が所有している不動産をまとめて一覧にしたもので、未登記不動産(登記されていない不動産)や非課税不動産、共有不動産(被相続人を含めた複数の人が所有権を持つ不動産)もすべて記載されるため、被相続人の所有していた不動産を幅広く確認することができます。ただし、記載される不動産は、請求した市区町村の管轄内にある不動産に限定されるので気をつけましょう。
また、名寄帳と一緒に「固定資産評価証明書」も請求しておくと良いでしょう(東京都23区内の場合は都税事務所で請求します)。 固定資産評価証明書とは、土地や建物などの評価額が記載されている書類で、不動産の価値を評価する際の参考になります。また、遺産分割後、相続税の申告や相続登記(不動産の名義変更)の手続きを行うときに必要になるので、名寄帳を請求するタイミングで取得しておくと時間を節約できます。
不動産の地番や家屋番号がわかったら、法務局で「登記簿謄本(登記事項証明書)」を発行するよう請求します。 登記簿謄本は、最寄りの法務局の窓口に出向いて請求するほか、郵送やインターネットで請求することもできます。法務局は不動産の所在地によって管轄が分かれていますが、管轄の違う登記簿謄本であっても取得することが可能です。 なお、登記簿謄本は、1通あたり600円の手数料を支払えば、誰でも特別な書類を準備することなく取得できます。 登記簿謄本には、不動産の種類や面積といった情報のほかに、所有権が「いつ」「誰に」「なぜ」移転したのかといった情報も記載されています。したがって、「所有者」の欄の最後に被相続人が記載されていれば、基本的にその不動産は被相続人の財産だと判断できます。
投資信託をしていたり、上場株式や公社債といった有価証券を購入したりしている人は、基本的に証券会社や信託銀行などに口座を開設しています。 そこで、手がかりとなる次のような資料を探して、証券会社などに口座があるかどうか調べ、有価証券の有無や金額等を確認することになります。
口座が見つかったら、口座のある証券会社の窓口に出向いて残高証明書や取引報告書の発行を依頼するか、電話で連絡し、こうした書類を請求するための資料を取り寄せましょう。なお、残高証明書は被相続人が亡くなった日付で発行してもらう必要があるため、ご注意ください。
有価証券に関する手がかりが見つからなければ、被相続人がどの証券会社に口座を持っているのかを調べるために、「ほふり(証券保管振替機構)」に対して情報開示請求をします。 ほふりとは、証券会社を仲介に挟んで、全国の株式等の情報を一括で管理している組織のことです。証券会社に口座を作って有価証券を購入する場合、一般的にほふりが売買の記録等を管理するので、加入者の情報の開示を請求すれば、被相続人が所有していた有価証券の情報を得られる可能性があります。 なお、ほふりへの情報開示請求には、1人(住所が複数存在する場合は1住所)あたり1620円の費用がかかります。
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では、借金やローンなど、マイナスの財産についてはどのように調べれば良いのでしょうか?
以下、マイナスの財産の種類別に解説していきます。
なお、財産を調査した結果、プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多いことがわかったら、相続放棄を検討するべきです。
相続放棄を選択すれば、その相続に関しては初めから相続人ではなかったものとみなされるため、プラス・マイナスを問わずすべての財産を相続しないことになります。
相続放棄の概要や手続きの方法については、下記の記事でご確認いただけます。
借金の有無や金額を調べるときは、まずは借用書や、銀行・消費者金融・クレジットカード会社等からの請求書や督促状といった郵便物が届いていないか調べましょう。 また、預貯金の取引履歴も手がかりになるので、定期的な引き落としの記録がないかどうかを確認するのもひとつの方法です。 さらに詳しく調べる場合は、JICC(株式会社日本信用情報機構)、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、全銀協(一般社団法人全国銀行協会)に照会するという方法をとることができます。 こうした「信用情報機関」は、会員である金融機関から得た個人の信用情報を管理し、返済状況や延滞情報などを把握しているので、開示請求をすることで被相続人の借金の情報を入手できる可能性があります。なお、信用情報機関への情報開示請求は、郵送でもすることができます。 ただし、個人からの借金など、金融機関以外からの借入れは、信用情報機関に情報が登録されないため注意しましょう。
住宅ローンを組む際には、一般的に不動産を担保に入れます。つまり、不動産に抵当権を設定することが多いといえます。 抵当権が設定されている事実は登記簿を確認すればわかるので、不動産が住宅ローンの担保になっている可能性があれば、登記事項証明書に「抵当権」や「根抵当権」といった記載がないか確認しましょう。 また、住宅ローンを組むにあたって、ほとんどの人が団信(団体信用生命保険)に加入します。 団信に加入していれば、契約者が返済の途中で亡くなったとしても保険金によって未払い分が支払われるので、住宅ローンは残りません。つまり、住宅ローンが相続財産になることがありません。 そこで、被相続人が住宅ローンを組んでいた場合は、住宅ローンの契約書の控えを見たり、団信の窓口に問い合わせたりするなどして、加入状況やプランを確認しましょう。
被相続人が連帯保証人になっていたかどうかは、
・借金の契約書の控え等を探す
・信用情報機関に照会する
といった方法で調べることができます。
ただし、連帯保証人は実際に借金をした本人ではないため、そもそも連帯保証人になったことがわかる資料を持っていないこともあります。また、奨学金や自治体の制度融資、入院費など、連帯保証人となっても信用情報機関に登録されないものもあります。 このように、連帯保証人になっているかどうかを調べるのは難しいケースが多いため、被相続人が連帯保証人になっている可能性がある場合は、限定承認をするのもひとつの手です。限定承認をすれば、プラスの財産を超える借金を相続せずに済みます。 ただし、限定承認にはデメリットもあるため、限定承認をするかどうかは慎重に検討するべきです。詳しくは下記の記事をご覧ください。
限定承認のメリット・デメリット相続財産の調査が完了したら、「財産目録」を作成しましょう。
財産目録とは、相続財産をわかりやすく一覧にまとめたものです。特に書式は決まっていないので、自由に作成することができますが、一般的に、不動産・預貯金・有価証券・借金などの財産の種類別に項目を設けて表のようにするケースが多いです。
財産目録を作っておくと、分割の対象となる相続財産が一目でわかるので遺産分割協議がスムーズに進みます。また、後々の相続税の申告の際にも必要になるため、相続財産調査が終わった段階で作成しておくと良いでしょう。
下記の記事では、財産目録の作成方法やひな型をご紹介しています。ぜひご覧ください。
専門家に依頼せず、自分で財産調査を行うことも可能です。
しかし、相続財産調査には法律をはじめとする専門知識が必要ですし、手間や時間もかかるため、特に相続問題に強い弁護士に依頼されることをおすすめします。相続財産調査を依頼できる専門家(弁護士・司法書士・行政書士)のうち、相続手続における業務の幅が一番広いのは弁護士だからです。
下記の表は、相続手続のなかで各専門家が業務としてできる手続きをまとめたものです。〇は専門家が単独で問題なく代行できる手続きを、△は一部のみ代行できる手続きを、×は代行できない手続きを指しています。
弁護士 | 司法書士 | 行政書士 | |
---|---|---|---|
相続財産調査 | 〇 | 〇 | 〇 |
相続人調査(戸籍収集) | 〇 | 〇 | 〇 |
不動産の名義変更 | 〇 | 〇 | × |
相続放棄 | 〇 | △ | △ |
遺留分侵害額請求 | 〇 | △ | △ |
遺産分割協議書作成 | 〇 | △ | △ |
遺産分割によるトラブル対応 | 〇 | × | × |
上記の表からわかるように、弁護士はすべての相続手続を代行できるだけでなく、遺産分割をするうえで発生したトラブルに対応することも可能です。 そのため、特に相続人間でトラブルが発生することが予想される場合などには、財産調査の段階から弁護士に依頼しておくと良いでしょう。
弁護士 | 司法書士 | 行政書士 | |
---|---|---|---|
費用相場 | 10万~30万円程度 | 10万~30万円程度 | 数万円~ |
表をみるとわかりますが、弁護士費用は高額になる傾向にあります。
しかし、弁護士は相続に関する手続全般のサポートをしてくれるので、司法書士や行政書士に都度手続きを依頼するよりも安く、手厚いサポートが受けることができます。
弁護士法人ALGにご依頼いただく際には、下記のリンク先でご説明するとおりの費用がかかります。相続問題にお悩みの方は、ぜひ弊所への依頼をご検討ください。
相続財産調査は、専門家に依頼すれば一般的に1ヶ月程度で完了します。
しかし、相続財産の種類や数が多かったり、評価額が争われたり、手がかりが全く見つからなかったりする場合には、期間が長引く可能性も十分にあります。
ただし、どんなに長引く場合でも、相続放棄や限定承認の申立ての期限である3ヶ月以内には終わらせる必要があるので気をつけましょう。
相続人が被相続人の口座の存在に気づかず、10年(銀行の預金については5年)以上放置してしまうと、預貯金債権(金融機関に預けたお金)が消滅し、預貯金を引き出せなくなる可能性があります。 なぜなら、金融機関に預けたお金は、10年(銀行の預金については5年)経つと時効にかかって消えてしまう場合があるからです。 もっとも、実際に金融機関が預貯金の引き出しの請求を拒否することはあまりないので、5年または10年以上経っても引き出すことができるケースが多いです。 とはいえ、口座を放置した期間が長いと引き出しの手続きに日数がかかることもあるため、相続財産調査で見落とさないよう、徹底的に調べておくことが大切です。
相続財産調査の代理を依頼する場合には、基本的に委任状が必要です。 委任状は、「誰が」「誰に」「どんな行為を」委任するのかを明確にしたうえで、代理を依頼する人が署名・押印をして作成します。 ただし、法務局で登記簿謄本を取得することは誰でもできるので、登記簿謄本の取得を依頼するだけであれば委任状は不要です。
生命保険金は、受取人の設定などの契約状況によっては相続財産に含まれません。しかし、そもそも相続財産に含まれるのかといった確認をするためにも、相続財産調査の対象とするべきでしょう。 生命保険金の有無や金額の調査は、保険証券を探したり、預貯金口座の取引履歴を確認したりするなどして調べるのが一般的です。 どのような場合に生命保険金が相続財産となるのか、また請求するためにはどういった手続きが必要なのかといった詳しい説明は、下記の記事をご覧ください。
生命保険の相続手続き相続財産調査は徹底的に行う必要がありますが、見落としのないようにご自身だけで調査するとなると大変な労力がかかるので、弁護士に依頼して負担を軽減されてみることをおすすめします。 弁護士は相続に関する手続きを熟知していますから、戸籍謄本や住民票の取り寄せ、金融機関への預金残高の照会、証券会社などへの照会といった相続財産の調査をスムーズに行うことができ、調査にかかる時間を短縮することが可能です。 さらに、調査後の財産目録の作成はもちろん、相続放棄や限定承認の手続き、遺産分割協議でのトラブルの対応を任せることもできます。 限られた時間を有効に利用し、円滑・確実に手続きを進めるためにも、弁護士に相続財産調査を依頼することを検討されてみてはいかがでしょうか。まずはお気軽にご相談ください。